キュアとケア
スタッフブログ
こんにちは。営業部大倉です。
時々、臨床の現場のキュアとケアというテーマで考えることがあります。
「臨床」というと一般的に、医療現場における医療関係者と患者の関で成立する
関係性や医療行為と理解されていると思います。
さらに、「医師」と「患者」、「看護者・介護者」と「患者」という関係は少し違って見えます。
非常に大雑把に言えば、キュアとケアといえるかもしれません。
●cure(キュア)
これは、医師が患者に施す治療行為で、風邪をひいたり、骨折したとき、問診や検診をして、
処方箋を作成したり、応急手当や時には手術をして直してくれる行為ですね。
言い換えれば、「目的」や「目標」を立てて、その「手順」を明確にして、論理的に問題解決をするタイプの
行為といえます。したがって、役割や時間が明確に決められ、ある意味全てを割り切ってその行為にあたる。
非常に厳密で、課題解決手続きも基本的に明確。
●care(ケア)
一方で、こちらは看護師や介護士が患者に対応する時の行為。
その特長は、もちろん目標はあるものの、キュアのそれほど明確なものはなく、
時間や役割が常に延長し続け、手続きもその終わりが曖昧になりがちであるとも言えます。
明確な治療行為の後に続く患者さんへのケア行為は、グラデーションに進んでいくように感じます。
切りようがない、厳密に役割や時間で仕分けて行為が整理できない。
●営業現場では
このように素人なりに分けて考えてみると、
サービスや商品の価値をお届けして問題を解決する、私たち営業担当者はどちらの関係に近いのか。
ビジネスの現場では、明らかにキュア的に、時間的制約の中で目標達成型の行動が求められます。
勿論この、焦点を絞った最速最短のゴール達成の合理的アプローチは必要ですし、これがないと会社も存続しにくい。
一方で、明確・厳密ではないが、ずっと傍にいてくれ、きっちりと話や反応を「聴いてくれる」、ケア的な態度も
また、営業の現場では求められているとも感じます。
営業担当者が、「時間を設定」して、「課題・理想のセットアップ」→「問題解決の手順の決定」→「実際の解決行為」
を一方通行的に定めてひたすら話を進めてしまう。こういう現場をこれまで何度も見てきましたが、ここに疑問を感じています。
まだ私なりに結論は出ていないのですが、
もう少し営業の現場にも「待つ」、「聴く」、「受け止める」、「寄り添う」などのある意味で受け身ともいえる態度が大事ではないか。
そうすることで、お客様の「まだ本人も気づいていない、満たされていない隠れた欲求」にアクセスすることができるのではないか。
そんなことを考えることがあります。